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AI会計ニュース 2026-05-22

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2026年10月1日まで残り約5ヶ月——インボイス仕入税額控除が80%→70%へ縮小、会計ソフト設定変更を「今すぐ」始めるべき理由

令和8年度税制改正により、2026年10月1日からインボイス未登録の免税事業者からの仕入れに係る消費税の仕入税額控除割合が、現行の80%から70%へ縮小する。経過措置スケジュールは以下の5段階に改訂された。

期間控除割合要チェックポイント
2023年10月〜2026年9月30日80%← 現在ここ
2026年10月1日〜2028年9月30日70%今回の変更
2028年10月1日〜2030年9月30日50%
2030年10月1日〜2031年9月30日30%
2031年10月1日〜0%(完全終了)

さらに、令和8年度税制改正では「1事業者あたり年間控除上限1億円」が新設された。大量の免税事業者との取引がある卸売・製造業は、この上限超過リスクも別途管理が必要だ。

「取引先100社のうち何社が免税事業者か、把握できていますか?――10月に切り替わる前の今こそ、AIを使ったリスト棚卸しが必要です。」(編集部AI解説)


なぜ「残り5ヶ月」が重要なのか:追徴税額の試算

控除割合が80%→70%に縮小するということは、免税事業者へ支払った消費税のうち10%分が追加でコスト化する。

試算例(年間仕入1,000万円・免税事業者比率20%の中小企業)

項目計算金額
免税事業者からの年間仕入額1,000万円 × 20%200万円
消費税相当(10%)200万円 × 10%20万円
80%控除で実質負担(現行)20万円 × 20%4万円/年
70%控除で実質負担(10月以降)20万円 × 30%6万円/年
追加コスト増加分+2万円/年

金額は小さく見えるが、免税事業者との取引が多い業種(建設・飲食・フリーランス発注)では10倍以上の影響が出るケースもある。加えて、2031年の完全終了(0%)を見据えた取引先整理は今から着手しないと間に合わない。


AIで「免税事業者フラグ」を自動検出する実務フロー

Step 1:取引先の登録番号保有状況をAIで一括照合

freee・マネーフォワードともに、2026年3月のアップデートで適格請求書発行事業者番号の自動照合機能が強化された。

freee会計での手順:

  1. 「取引先マスタ」から全取引先を一括エクスポート(CSV)
  2. freeeのAI仕訳確認画面で「適格請求書番号なし」フィルタをかける
  3. 国税庁「インボイス登録番号確認API」と自動照合(freeeがバックグラウンドで実行)
  4. フラグ付き取引先リストを経理担当者・購買部門に共有

マネーフォワード クラウドでの手順:

  1. 「支払管理」→「取引先」→「インボイス対応状況」フィルタ
  2. 未登録取引先に「要確認」アラートが自動表示(MF AI Cowork連携時はSlack通知も可)
  3. 免税事業者リストをCSVダウンロードして購買部門に引き渡し

Step 2:会計ソフトの消費税処理ロジックを10月仕様に更新

freee・マネーフォワードは自動アップデートで2026年10月以降の70%ロジックを反映予定だが、「経過措置区分」の設定が取引先ごとに手動確認必須の箇所がある。

チェックリスト(2026年9月末までに完了必須):

  • 免税事業者フラグが付いた取引先の「消費税処理区分」を「経過措置80%」→「経過措置70%」に変更予定確認
  • 定期支払い(家賃・外注費等)の消費税仕訳テンプレートを更新
  • 仕入帳・支払帳の「控除割合」列を追加し、経理レポートの精度確保
  • 購買部門に「免税事業者リスト」を共有し、取引継続・価格交渉・登録促進の方針決定

Step 3:免税事業者との取引方針を3パターンで決定

方針概要メリットデメリット
A:登録促進取引先に適格請求書発行事業者への登録を要請控除割合フル活用取引先負担増・関係悪化リスク
B:価格交渉免税事業者据え置きの代わりに10%値引き関係維持内部コスト増(控除減の実質補填)
C:取引終了2031年完全終了を見越した取引先整理長期コスト最小化短期の調達リスク・代替先探索コスト

一例として「A+Bの組み合わせ」が実務的に取られるケースが多い。AIで取引規模を自動スコアリングし、上位20%を「A:登録促進交渉」、残り80%を「B:価格調整 or C:整理」に仕分けする手法が効率的だ(業種・取引規模により異なる)。


KSK2との交差影響:2026年秋は「二重プレッシャー」の時期

本誌が2026年5月16日に報じた通り(記事:KSK2本格稼働まであと4か月)、国税庁の次世代基幹システムKSK2が2026年9月24日に本格稼働する(出典:国税庁「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション—税務行政の将来像2026」)。AIが法人税・消費税データを横断分析し、申告矛盾を自動抽出する時代が始まる。

2026年秋はインボイス改正(10月)とKSK2稼働(9月)が重なる「二重プレッシャー」期だ。特に消費税の仕入税額控除周りは、KSK2が最も重点的にチェックする分野とされている。今から免税事業者リストを整備しておくことは、KSK2対応の事前準備にもなる。


freee会計でインボイス改正対応を今すぐ始める

上記のStep 1〜3を最も効率よく実施できるのがクラウド会計ソフトだ。freee会計は、インボイス登録番号の自動照合・経過措置区分の自動切替・免税事業者フラグの一括管理に対応している。

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今週の会計AIニュース(ピックアップ)

電子インボイス(Peppol)の普及加速——2026年10月改正の「隠れた追い風」

インボイス改正と同時に、Peppol(ペポル)対応の電子インボイスの普及も急加速している。PeppolはEU発の国際標準規格で、請求書の発行・受領・保存を完全デジタル化する。

freee・マネーフォワード・invoxがすでにPeppol送受信に対応しており、Peppol対応の取引先は「適格請求書発行事業者」であることが自動的に確認できる(登録番号照合の手間が不要になる)。

Peppol活用で何が変わるか:

  • 請求書PDFのAI-OCR処理が不要になり、仕訳精度が100%に近づく
  • 取引先の登録状況がリアルタイムで確認可能(免税事業者フラグの自動更新)
  • 消費税計算の精度が大幅に向上する(照合ミスが原理的に発生しにくくなる)

2026年10月の改正を機に、Peppol対応の会計ソフトへの切り替えを検討する企業が増加している。


まとめ:今すぐやるべき3つのアクション

  1. 【6月中】AI照合で免税事業者リストを作成 — freee/MFの取引先マスタから自動抽出し、購買部門と共有
  2. 【8月中】取引方針を確定 — A(登録促進)/ B(価格交渉)/ C(取引整理)を取引先ごとに決定し、文書化
  3. 【9月末】会計ソフトの70%ロジック設定確認 — 定期仕訳テンプレートの更新・消費税申告書の事前チェック

⚠️ 9月30日を過ぎると80%控除は自動終了。設定の更新漏れがあれば、10月1日以降の仕訳が誤計算されたまま確定申告に進む危険性がある。KSK2稼働後の税務調査では、この種のシステム設定ミスが最初にチェックされる。


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本記事のデータ・分析をさらに深掘りした「実務レポート:2026年10月インボイス改正全対応マニュアル(Excelテンプレート・免税事業者交渉文例付き)」を週刊Kaikei AI Daily(note有料版 ¥500/本)にて公開予定です。

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本記事はCPA試験合格者の監修のもと作成されています。税務判断については必ず担当税理士にご確認ください。情報は2026年5月22日時点のものです。