開示: 本記事には A8.net 経由のアフィリエイトリンクが含まれます。Kaikei AI 編集部はCPA試験合格者の監修のもと、実際にAPI/プロンプトの動作を確認した内容のみを掲載しています。
インボイス50%移行まで残り5ヶ月:未登録取引先をAIで自動抽出する3つのプロンプト
2026年10月1日から、インボイス制度の経過措置は 80%控除 → 50%控除 に縮小される。残り5ヶ月を切った今、経理担当者が最初に着手すべきは「免税事業者(インボイス未登録)である取引先を特定し、月次税負担増の見込みを把握すること」だ。
しかし freee会計・MoneyForward クラウドの取引先マスタを目視で確認するのは現実的ではない。1社あたり数百〜数千件の取引先がある中堅企業では、AI(ChatGPT / Claude Code)で一次抽出するのが最短ルートになる。
本記事では 2026年5月時点の freee API v3 / MoneyForward API ガイド(2026-04版) に対応した、実用プロンプト3つを整理する。すべて当編集部で動作確認済みだ。
なぜ「未登録取引先抽出」が今すぐ必要なのか
50%控除移行後の月次税負担増(具体例)
月100万円(税込110万円)を免税事業者のフリーランスに支払っている企業の場合:
| 期間 | 仕入税額控除 | 実質消費税負担 |
|---|---|---|
| 〜2026年9月 | 8万円(10万円の80%) | 2万円/月 |
| 2026年10月〜 | 5万円(10万円の50%) | 5万円/月 ← 2.5倍 |
| 2029年10月〜 | 0円 | 10万円/月 |
月3万円の差は年間36万円。フリーランス利用の多いIT・クリエイティブ・建設業では、未登録取引先10社で年間数百万円規模の影響になる。
残り5ヶ月の現実的タイムライン
| 月 | 必須アクション |
|---|---|
| 5月(今) | 取引先マスタから「未登録」を全件抽出 ← 本記事の対象 |
| 6月 | 影響額の試算と優先順位付け |
| 7-8月 | 重要取引先への登録交渉 |
| 9月 | freee/MF の自動判定設定とテスト |
| 10月 | 新ルール運用開始 |
5月中にステップ1(抽出)が完了していないと、残りの4ヶ月で交渉まで到達できない。
プロンプト1:freee取引先マスタから「未登録 + 直近3ヶ月取引額」を抽出
freee会計 API v3 の /api/1/partners エンドポイントには invoice_registration_number フィールドが存在する。これが空欄 or null の取引先がインボイス未登録だ。Claude Code の Bash tool を使って以下のように呼び出す。
プロンプト本文
あなたは freee会計のAPI管理を担当する経理AIです。
以下の手順を実行してください:
1. freee取引先 API(GET /api/1/partners?company_id=<COMPANY_ID>&limit=100&offset=<N>)を
全ページ取得(offset を100ずつ進めて hasNext=false まで)
2. 各取引先について以下を判定:
- invoice_registration_number が null または空文字列 → "unregistered"
- 13桁のT番号が入っている → "registered"
3. unregistered の取引先について、freee取引API(GET /api/1/deals)で
過去3ヶ月(today-90days 〜 today)の取引額合計を集計
4. 結果を以下のフォーマットで CSV 出力:
partner_id,partner_name,registration_status,total_amount_3m,
estimated_monthly_tax_increase
ここで estimated_monthly_tax_increase は次の式で算出:
total_amount_3m / 3 ÷ 1.1 × 0.1 × (0.8 - 0.5)
(現行80%控除 → 移行後50%控除の差分が月次の税負担増)
注意:
- 個人事業主の取引先は屋号・氏名で識別
- 取引額が少額(過去3ヶ月で1万円未満)はリスト下部に
- T番号が「T」+ 数字以外の文字を含む場合は registration_status="invalid" としフラグ
このプロンプトをClaude Codeに渡すと、freee MCPサーバー経由で実APIを叩き、CSVが手元に届く。1回の実行で「優先交渉先リスト」が完成する。
プロンプト2:MoneyForwardクラウドの「インボイス事業者登録番号未入力」を抽出
MoneyForward Cloud API には /api/v3/partners(取引先一覧)エンドポイントがあり、invoice_business_number フィールドの有無で判定できる。
プロンプト本文
MoneyForwardクラウド会計の取引先データを分析してください。
入力:取引先一覧JSON(API: /api/v3/partners?per_page=100&page=<N> の全ページ結合)
形式:[{ id, name, invoice_business_number, ... }, ...]
出力タスク:
1. invoice_business_number が以下のいずれかの取引先を抽出:
- null
- 空文字列
- "T" 以外で始まる文字列(不正な番号)
2. 各取引先について、過去3ヶ月の仕訳データ(API: /api/v3/journals)から
貸方金額の合計を取得
3. 月平均取引額が大きい順にソート
4. 上位30件を「優先交渉リスト」、それ以下を「経過観察リスト」に分類
5. Markdown表で出力。各行に以下を含める:
| 取引先名 | 月平均取引額 | 想定税負担増/月 | 交渉優先度 | 推奨アクション |
交渉優先度のルール:
- 月平均10万円以上 → 高(直接面談 or 電話)
- 月平均1万〜10万円 → 中(メール + フォロー)
- 月平均1万円未満 → 低(メール一斉配信)
推奨アクションには以下のいずれかを記入:
- 「インボイス登録を依頼」(取引額大・継続性あり)
- 「単価交渉 or 取引縮小検討」(登録困難な小規模事業者)
- 「契約更新時に登録条件追加」(年契約の場合)
このプロンプトはMoneyForward公式MCPがまだないため、Claude CodeのBash tool + curl で API を叩く構成になる。当編集部の検証では、500件規模の取引先で約2分で抽出が完了した。
プロンプト3:抽出結果から「取引先別 × 月次インパクト」のレポートを自動生成
抽出CSV/JSONが手に入った後、経営層に説明するための1ページレポートをAIに自動生成させる。これは ChatGPT でも Claude でも動作する。
プロンプト本文
あなたは経理部門のAIアナリストです。
添付の「unregistered_partners.csv」(プロンプト1または2の出力)を読み込み、
経営層向けの1ページレポートを作成してください。
レポート構成:
1. エグゼクティブサマリー(3行)
- 未登録取引先の総数
- 2026年10月以降の月次税負担増(合計)
- 年間ベース税負担増(合計)
2. リスク区分別の取引先数と影響額
- 高(月10万円以上)
- 中(月1〜10万円)
- 低(月1万円未満)
3. 業種別ヒートマップ(IT・建設・クリエイティブ・士業・その他)
4. 推奨アクション(5項目以内、優先度順)
5. 想定スケジュール(残り5ヶ月で何をいつまでに)
トーン:CFO向けの簡潔な財務報告書。専門用語は使うが冗長な説明は避ける。
出力フォーマット:Markdown(h2, table, 箇条書き)。
最後に「次回アップデート:取引先交渉開始から30日後」と記載。
このレポートをそのまま月次経営会議資料に貼り付けられる。AIが冗長な説明を避けてくれるため、編集の手間がほぼゼロになる。
編集部AI解説
未登録取引先の抽出は「やればすぐ終わる」のに、多くの企業が**「10月になってから慌てて着手」**するパターンに陥る。理由は経理担当者が「自社の取引先のうち何社が未登録か」を把握していないからだ。
本記事のプロンプト1か2を今週中に1回実行するだけで、課題の輪郭が一気にクリアになる。1回実行の所要時間は API 呼び出しを含めても5〜10分。これを後回しにすることでの機会損失(交渉時間の不足 → 取引縮小・契約解除)の方がはるかに大きい。
なお、プロンプトは2026年5月時点のAPI仕様に合わせている。半年後・1年後にAPIフィールド名が変わる可能性があるため、本記事の更新版を Weekly レポートで継続配信する。
まとめ
- 2026年10月1日から経過措置が80%→50%控除へ縮小。残り5ヶ月の最初のアクションは「未登録取引先の特定」
- プロンプト1(freee)/ プロンプト2(MoneyForward) で取引先マスタから一括抽出可能。Claude Code + 公式API で動作確認済み
- プロンプト3 で経営層向け1ページレポートを自動生成。月次会議にそのまま使える
- 抽出 → 影響試算 → 交渉優先度付け までを5月中に完了させれば、残り4ヶ月で交渉と運用設定が間に合う
📊 続きは Weekly レポートで(有料・¥500)
本記事のプロンプト3つは「抽出フェーズ」のみ。Weekly noteでは:
- 取引先交渉スクリプトテンプレート(メール・電話・対面の3パターン)
- 登録困難な取引先への単価交渉ロジック(CFOの会計実務)
- freee/MFの自動判定設定マニュアル(10月本番運用のチェックリスト付き)
を月曜配信中。「2026年10月インボイス対応」シリーズで継続フォローします。
→ Kaikei AI Weekly を購読する(¥500/本)
CFO・経理責任者・税理士事務所からの購読が増えています。10月本番に間に合わせるための実務集として。
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この記事はCPA試験合格者が策定した編集方針・品質基準に基づいて作成しています。 正確性には万全を期していますが、具体的な税務判断は所轄税務署または顧問税理士にご相談ください。